2011年7月31日(日)、静岡市北部体育館において第37回拳正会全国空手道大会を開催しました。
参加者総数140名。
天気は曇り、最高気温29℃ 前日の雨が心配でしたが、当日は何とか回復して良いコンディションとなりました。
開会式では、大会宣言、会長挨拶、ご来賓の方々のお祝辞等を頂き、昨年の各部門優勝者より優勝旗が返還され、次に代表選手による堂々とした選手宣誓、選手全員で基本動作を行い、滞りなく開会式が終了しました。
今回は、開会式のすぐ後に演武を披露し、その後ABCDの4つコートに分かれ、まずは午前の部の試合、昼休憩を挟んで午後の部の試合へと進みました。
最後の決勝戦は、1つのコートを全員が見守る張り詰めた空気の中、会長が主審を務め、勝ち残った選手が最後の力を出し切って戦いました。
釵(サイ)
▲ 釵(サイ)
火箸が原型と言われています。
琉球王国時代には警察署長や刑事等が携帯し、犯人逮捕や群衆の誘導に使われたとされています。
本来は3本1組で使用し、その打ちの1本は投げ釵として用います。
形がかんざしに似ているので「釵」と表記されるようになったと言われています。
六尺棒(ろくしゃくぼう)
▲ 六尺棒(ろくしゃくぼう)
棍とも言われ、我が日本では天秤棒を主に用いたことから六尺の長さが主に使用されるようになりました。
古武道の武器の中でも最も強力な武器です。
トンファー
▲ トンファー
中国武術の「拐」(かい)と呼ばれるトンファーよりも大きい武器が琉球に伝わって小型化されたという説と石臼の挽き棒から発明されたという説のふたつがあるとされています。
握り部分を相手に向けて鎌術の要領で扱うことも可能です。
主に刀をもつ敵と戦うために作られた、攻防一体の武器です。
ヌンチャク
▲ ヌンチャク
双節根とも呼ばれます。
主に麦や稲の脱穀用具からの発生説などがあります。
紐には、かつてアダンの木根、シュロ、馬の尾、人間の頭髪などが用いられました。
試割
▲ 試割
自らの拳と足や身体がいかに鍛えられたかを試すために、様々な素材のものを突き、蹴り、受け技などで割る事を言います。
試し割の目的は色々ありますが、拳正会ではいかに綺麗に割るということを指導しています。
ステッキ術
▲ ステッキ術
半棒術や短棒術と言われる武術で、十手術や杖術も含まれます。
静岡での全国大会開催を記念してインタビューさせていただきました。
(インタビュー:拳正会空手道連盟副会長 静岡県本部長 天石 孝師範)
数年ぶりの静岡開催・・・
今回は静岡の招待大会として開催させていただいてから前回より6年ぶりの開催です。
この北部体育館は空調設備が万全で、選手のみなさんは大会に集中できる素晴らしい環境だったと思います。しかしながら、東日本大震災と静岡で起こった震度6強の地震の風評被害と申しましょうか、関西からの選手の参加が少なかったの事が非常に残念でした。
参加人数は少なくはなりましたが、今年も選手たち、応援されているご家族の元気で例年の迫力に負けないくらい大会が盛り上がりました。
県、市からも後援をいただいて、市長、教育長からも賞状、正式種目である10種目全ての優勝賞状を頂くことができました。
静岡では各地区での空手の大会等があり、毎回見学させていただいておりますが、たくさんの方が空手に親しんで頂いていると実感しております。
私たちの道場では・・・
私は空手が強くなる以前に、空手を通して身に付けられる事を重視しております。
たとえば「礼儀作法」はもちろんですが、人との付き合いである「コミュニケーション力」を当たり前に発揮できる人になって欲しいと願っています。
次に、空手は打ち合いですから、自分自身が積極的に行動する「行動力」を養ってもらいたいと思っております。
そして、身に付けて欲しい基本中の基本をもう一つ。
「近所の人に挨拶出来る人になる」
口の中で、もごもご言うのではなく、大きな声で元気よくです。
「おはようございます!!」と気合をいれて挨拶し続ければ、声は自然と大きくなるものです。
大きな声ではっきりしゃべれる人になればプラスになることは必ずあとから付いてきます。
面白いことにそんな基本がきっちり出来ている子は、空手も一生懸命、勉強もきちんとできて、びっくりするような学校に合格したりしています。
空手で育った子を見ているときに、
一生懸命やっている子には、何かしら強さ以外のものも付いてきます。
適当にやっている子にはそういう「付録」は付きません。
一生懸命する子は、ある一定時期を過ぎると、まるで「お年玉」みたいにポンとついてくるんです。
それは何人も見てきていますので間違いない事実です。
何事も基本が大切。
挨拶とは、「自分の意思を相手に伝えられる力」です。
挨拶さえきちんと大きな声で出来たら、人間関係がきちんと作れると私は信じています。
これからもその信念で指導していきたいと思っております。
女性限定の「さくら塾」という空手教室で昨年秋から活動しています。
(インタビュー:静岡本部 寺田かおる指導員)
空手は10年ほど続けているのですが、以前痩せた時期に「いっそのこと筋肉をつけてしまおう」と思って始めたのが、空手を始めたきっかけです。
人生の中で10年以上続けられたものは空手が初めてです!
この年になると「やれない」と言う人が出てくるのですが、それでも続けて「出来ている」自分がちょっと誇らしく思っています。
女性限定のさくら塾という空手教室を立ち上げ、2010年11月から活動しています。
この教室を開くきっかけは、私に一対一で空手を教えて欲しいという女性がいたことが始まりでした。
この話を師範に相談したら「やってみればいい」とその言葉に背中をおされて、それではやりたい人を集めましょう!ということで今に至ります。
そのきっかけになった女性は、私の子供の部活仲間のお母さんです。
私が空手をしていると言ったら「だんな様にも息子にも強くいられる自分になりたい!だからそのために空手をやってみたい!」と言って、今でも続けられています。
静岡にある東部体育館で空手スポーツ教室しているときにお声かけした数名の方も一緒にスタートしました。
まだまだ人数は少ないですが、30代、40代、50代と年齢層は幅広くいらっしゃます。
さくら塾の名前は、私の好きな薄ピンク色からとりました。
女性特有の柔らかさと控えめな感じが可愛くて、ひらがなで見やすいことにこだわって名付けました。
平日の10時から12時に開催なので、お子様が幼稚園や小学校に行っている時間を運動したいなと思っているお母様が通われています。
輝きたい女性の方!年齢は関係ありません!
キレイになることと空手には実はつながりがあるんです!
楽しみながら、心も外面も充実するのでぜひ体験してみてください!
突然ですが、私の師匠をご紹介します!
静岡道場の横山先生はとっても優しい先生で、人柄が本当に良くて、今まで続けて来れたのは、師範をはじめ、会う人会う人に可愛がっていただいた結果だと思っています。
静岡でこの拳正会空手の精神を受け継げる人材を育て行きたいと思っています。
今後の夢は、小学校よりも下の幼稚園生から空手を通じて子供を育ててみたいですね。
当日の写真ギャラリー
総評
昨年に引き続きマットを使用するも、昨年の経験を活かしてスムーズに設置できました。
エアコンも昨年に続き使用したため、選手・スタッフ・役員一同快適な空間で行うことが出来ました。
今大会最大の危機とも言える東日本大震災や原発の影響もあって、参加者総数は140名と大きく減少となった事もあり、急遽、演武を充実させ大会を盛り上げることになりました。
師範は勿論のこと、静岡県本部の門下生と有段者・愛知県本部の門下生の皆さんにも協力していただくことで立派な演武が出来たと感謝致します。
参加者が例年よりも少なかったとはいえ、参加選手の熱意は例年と変わらず盛んであったと感じました。
静岡県本部スタッフには、打ち合わせや早朝からの準備や撤収作業等色々お世話になりました。
心より感謝申し上げます。
今年も大会の目的を大会スタッフ、参加者全員が達成し、大きな怪我も無く終われたので良かったと思います。